ご 挨 拶
地域密着型産業の担い手として
種子島と言えば、鉄砲伝来の島。種子島と言えば、ロケットの島。種子島と言えば、サーフィンの島。そして、種子島を訪れた方々が皆さんおっしゃるのは、「種子島はサトウキビの島なのですね」。そして、その種子島の基幹産業である製糖業を担っているのが、当社新光糖業株式会社です。当社は、昭和31年、国内甘味資源の自給率向上とサトウキビ生産農家からの工場建設の要請に応じて創立されました。熱帯作物であるサトウキビにとって種子島はその商業生産の国内最北限の地でありますが、勤勉な地元農家の皆さんの努力によって島の重要な基幹作物となっています。そのサトウキビを原料として扱う当社は、地元の経済の担い手として重要な役割を果たしています。
弊社中種子工場は、平成に入ってからは機器の更新と自動化を推し進め、公称能力は1日あたり1,600トンと県内最大を有しています。また、環境に配慮した廃棄物ゼロ工場(ゼロエミッション)を目指しております。圧搾工程から出るバガス(サトウキビの搾りかす)をボイラー燃料として使用・発電することで工場内の電力熱需要を賄うコージェネレーションシステムを採用しておりこの方式が地球環境にやさしい「グリーン電力発電設備」として認定されています。その他、製造工程から生成する副産物を堆肥原材料や特殊肥料、飼料及び発酵原材料として島内外で再利用するなど、環境保全に貢献するための様々な活動に積極的に取り組んでいます。
種子島のサトウキビ生産は、1980年代後半をピークに90年代後半まで減少傾向にありましたが、その後新品種の普及や収穫の機械化が進んだことから2010年ころまでは再び増加傾向に転じました。しかし、近年農家の高齢化による労働力不足と気象災害等により、面積・反収ともに大きく減少し、岐路に立たされている状況となりました。
そのような状況下、2019年には関係各機関の御協力のもと新品種「はるのおうぎ(系統名:KY10-1380)」が登録出願され、反収向上・気象災害への軽減・多年作への移行等、農家の皆様方の期待が膨らんでいるところです。
種子島のさとうきび栽培を未来永劫守っていくためにも、弊社は自社努力を続けてまいります。
代表取締役社長 前田浩之